スペシャル対談
西川ユカコの 寝ても覚めても

Vol.1スペシャル親子対談

父から娘へ 受け継ぐもの、進化するもの

父:昭和西川株式会社 代表取締役会長 西川惠
娘:昭和西川株式会社 代表取締役副社長/睡眠改善インストラクター、温泉入浴指導員 西川ユカコ

ムアツ開発から50周年。
450年余りの長きにわたって近江商人から受け継いだ家名と伝統を、新しい時代にどう繋げ発展させていくのか。
第1回スペシャル企画として、代表取締役会長 西川惠と副社長で睡眠改善インストラクターの西川ユカコが、
昭和西川のこれまでとこれからについて語りました。

副社長:私は赤ちゃんの頃からムアツで寝ていました(笑)。人生のほとんどをムアツで寝ているということになります。家族はもちろん、昭和西川の社員もみんな使っています。 作り手である私たち自身が、ぐっすり眠れて、疲れがよくとれるムアツの「大ファン」なんですよね(笑)。ムアツはどのようにして生まれたのでしょうか。

会 長:私が会社に入ったのは1966(昭和41)年。綿が主流だったふとんがポリエステルやアクリルなどの合成繊維に変わってきた頃です。そうした時代の中で、私の父である西川五郎が、健康寝具の先駆けとしてムアツの商品化に着手しました。ふとんといえば綿という時代でしたので、最初は「なんじゃこれ」という感じでした。
まず全国100ヶ所以上の病院に床ずれ防止用に使ってもらいました。ムアツは点で支えているのでこれまでのふとんよりも血行を妨げにくく、「床ずれができにくい」ということから導入数がどんどん増えていきました。

進化し続けるロングセラー商品 ムアツふとん

会 長:ムアツが発売された頃は人生60年時代です。今のような「人生100年時代」なんて、当時は誰も考えていませんでした。でも、高齢者が増えるとこれまで以上に健康に気を使うことが大事になってきますね。体重などその人の身体に合ったムアツはもちろんですが、年齢や生活環境にも対応できるムアツの開発が必要になってくるでしょう。

副社長:私は働く女性として、自分の体験・視点から商品を評価しています。いかに疲れがとれて気分よくスッキリ目覚めることができるか、そして目覚めたときにやる気に満ちていられるか。そうしたコンディションをつくるために、ムアツをどう進化させていくかを考えています。
そのために、ムアツの原点を探ろうと、保管されていた古文書のような十数冊もの研究ノートを調べつくしました。そこには、見たこともない複雑な方程式が書かれていて。人間工学に基づいて研究から開発まで3年も費やし、人間にとってこれ以上ない完璧な構造の敷きふとん「ムアツ」を作ったのですね。恐れ多いことです。今年、新しいムアツを発売したのですが、ムアツの形状については、はっきり言って、開発時に完璧に完成してしまっています。ただし素材を進化させることはできますので、実際にサンプルを何度も作り、社員と寝心地などをひたすら試してみました。その結果生まれたのが高弾性ウレタンを使った新商品「スリープスパX」です。他社製品にも高弾性ウレタンを謳っている商品は多数ありますが、JISの企画で明確に高弾性ウレタンと謳えるマットレスは実はほとんどありません。原価が高くなってしまうのです。
その甲斐があって、スリープスパXは「眠りの次元が変わる」とお客様も大絶賛です。スリープスパXは体重の軽い人でも重い人でも寝返りの打ちやすさ、眠りの深さ、目覚めた時の元気さを感じていただけるオールマイティなモデルです。

時代の変化への柔軟な対応でマーケットを切り拓く

会 長:歴史を紐解くと、昭和西川は西川甚五郎商店から発祥しています。初代・西川甚五郎から450年あまりもの歴史を受け継いでいるという訳です。昭和激動期の1942(昭和17)年、西川甚五郎商店の製造部門が独立して昭和寝具工業株式会社が設立され、1968(昭和43)年に昭和西川株式会社と社名変更されました。
昔は既製服というものはなく洋服屋で仕立てていたのと同じように、既製の布団がなかった時代です。呉服屋から生地を、綿屋から綿を買ってきて、各家庭で仕立てていました。既製の布団が売られるようになった寝具革命と言われる明治以降、西川も布団を手掛けるようになりました。

副社長:今では高機能寝具は数多くありますから、お客様もどのように選んでいいか迷ってしまいますね。

会 長:ムアツの良さを知ってもらうには、寝比べていただくのが一番です。私が良いと口で説明するよりも、実際、店舗などで寝てもらって体感していただいたほうがいいでしょう(笑)。

副社長:私たちはアピール下手ですよね。昭和西川の製品の良さを「見える化」していくことも今後の課題だと思っています。特にムアツは、口コミで広がっていく側面があるので、今後はもっとSNSなどを使い、新しい口コミの形をつくっていけるとも考えています。
また、より多くの消費者に昭和西川のクオリティを知っていただくという意味では、異業種とのコラボレーションも大事だと思っています。ポータークラシックさんとコラボしたリュックなどバッグのシリーズ『ニュートン』は、ムアツの新たな魅力の発見や新しいお客様との出会いができました。異業種とのコラボはこれからもいいお話があれば続けていきたいと思っています。

受け継いでほしい「誠実・親切・共栄」の心

会 長:新しい挑戦にも、昭和西川の社是である「誠実・親切・共栄」は大切にしていきたいね。私の父から教えられたのは「社員に親切にしなければならない」「お客様に親切にしなければならない」ということ。この基本的な考え方は、いつの時代でも変わらずに受け継いでほしいと思います。
もう一つ。寝具の目的は、健康と快眠。ぐっすり眠って、爽やかな目覚めで元気な一日を過ごすこと。それには寝具だけでなく、心の持ち方も必要です。楽しく愉快な気持ちを持って寝ると睡眠の質がよくなります。寝る前と寝ている間に自分の気持ちをポジティブにしておく習慣をつけることが大切です。昭和西川は寝具を販売していますが、こうした睡眠に対する教えも伝えていってほしいですね。

副社長:そうですね。会長には父としても教わることがまだまだ沢山あります。良い睡眠で健康に長生きしていただきたいと思います。