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眠りのお話

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要注意!睡眠時の熱中症。

夏になると、毎日のように熱中症という言葉を目にし、耳にします。
地球温暖化の影響で気温は上昇し、日本でも多くの影響を受けています。

熱中症は、気温や湿度が高いところで長時間過ごしていると、体温調節の機能がうまく働かなくなって、体の中に熱がこもってしまうことです。めまいやけいれん、頭痛や意識障害を引き起こしてしまうリスクのある病気で、症状が重いと命にかかわることもあります。

一日で一番暑いとされるのが、午後2時~3時ぐらいで、最も危険な時間帯と言われています。しかし、実は夜の睡眠中も熱中症にかかってしまう可能性があります。環境が大きな影響を及ぼすことから、特に幼い子どもや高齢者は注意が必要です。
要注意!睡眠時の熱中症。

幼い子どもは、汗腺をはじめ体温調節機能がまだまだ十分に発達していないため、体温が上がりやすく、熱中症になりやすいのです。一方、高齢者は、暑さを感じにくくなっている上に、体温調節機能も低下しているので体温が上がってしまう人がいます(*1)。また、のどの渇きも強く感じることがないため、夜中にトイレに行くことを心配して、水分を取らないという人も多いようです。そのような人は脱水症状を起こし、気づかないうちに熱中症になってしまうことがあります。
実際に、寝ている間にどれぐらい汗をかくかという実験結果がありますが、29℃の環境下で8時間の睡眠を取った場合には、なんと約500mlです(*2)。

蒸し暑い夜、睡眠中に脱水や熱中症にならないためには、寝る前にしっかりと水分をとりましょう。また、夜中に目が覚めた時も、水分補給をすると良いでしょう。
エアコンを使い、寝る前には室温は26℃前後、湿度50~60%を保つようにしておきましょう。湿度が高いと、汗が蒸発する時に生まれる気化熱が発生しないため、身体から熱を逃がすことができず、熱がこもることで、暑くて寝苦しくなってしまいます。

日中はもちろん、就寝前と起床後の水分補給も習慣にして、睡眠中の脱水や熱中症を防いで、蒸し暑い夏を健康に乗り切っていきましょう。

熱中症対策には水分補給を習慣にしましょう

内臓に負担のかかりにくい8℃~13℃の飲み物が理想的です。
塩分やミネラルなどの電解質も同時に補うように工夫しましょう!

*1 熱中症環境保健マニュアル 2018
*2 https://pocarisweat.jp/scene/sleep/


文=「眠りのお話」編集部