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眠りのお話

nemurinoohanashi

熱帯夜を、ひんやり快適に。

いよいよ夏を感じる季節になってきましたね。
夏は「眠り」にとって、特に工夫が必要な季節です。

夏も冬と同様に、寝床内気候(ふとんの中の温度と湿度)を快適にしなければ、良い眠りは取れません。この環境をつくるのに必要な寝具の条件は、「吸湿性」「吸汗性」「放湿性」「通気性」「フィット性」「追動性」そして「肌触り」が良いことです。
最近は、寝具にも様々な工夫がされ「冷感素材」を利用したものが販売されています。

今回は「冷感素材」について考えてみましょう。
熱帯夜を、ひんやり快適にする冷感素材。

「冷感素材」とは、肌に触れた時に冷たく感じる素材です。この冷たさをもたらすのが熱伝導性。熱は温度の高いほうから低いほうへ移動する性質があるので、人の肌が物に触れた時に肌の熱が物に移動する量が多い(熱が奪われている)と冷たく感じます。従って、熱伝導率が高い物ほど熱を多く奪うので、より冷たく感じることになります。

この熱の移動量を数値に表したものが「最大熱吸収速度(q-max:キューマックス)」で、繊維では高いほど「冷たい」と評価することができ、0.2(W/cm2、J/cm2・sec)以上が冷たく感じる目安とされています(*1)。

しかし、この数値が大きければ良いかというと、夏の寝具では注意しなければならない点があります。その一つが「吸放湿性」です。例えばジェルなどは熱伝導性がすぐれるので触れた瞬間はひんやり爽やかに感じますが、「吸放湿性」や「通気性」が無いので部屋の温度や湿度によっては徐々に暑くなり、ムレやすくなる傾向があります。

天然素材の「麻」は、q-max値で表すと0.329 (J/cm2・sec)程度(*2)で、「吸放湿性」に優れ、汗をかいてもすぐに乾き、さらりとした肌触りが魅力です。
また、ポリエチレンの中でも、特殊な製法で作られる「高分子量ポリエチレン糸」を使用した敷きパッドシーツやピローパッドは、「冷感素材」の寝具として人気があります。q-max値は、0.311~0.483 (J/cm2・sec)程度(*3)で、肌に触れた瞬間にひんやり心地よく、体温で温かくなってもすぐに熱を逃がし、寝返りのたびにひんやりと感じることができます。

さらに、エアコンを上手に活用して、室温を適度に下げておくことで、より「冷感素材」の寝具をひんやりと快適に使うことができます。

この夏も気温や湿度は高くなることと思います。
「冷感素材」の寝具を購入される際には、肌が触れた時の冷たさだけでなく、「吸放湿性」や「通気性」も考慮に入れてみると、寝苦しい夏の夜を快適にしてくれるでしょう。

吸放湿性や通気性の高い「冷感寝具」は、一晩中ひんやり感が続きます。

「吸放湿性」や「通気性」の高い「冷感寝具」は、寝返りを打つたびに、それまで寝ていた場所が「放熱」するので、一晩中ひんやり感が続きます。

*1 日本化学繊維協会
*2、*3 ともに、当社商品を基に、検査機関で数値を測り、報告された結果を参考にしています。

文=「眠りのお話」編集部